大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1085 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人弁護人千野国丸上告趣意について。

しかし本件が検事控訴にかゝるものであることは、記録上明らかなところである

から、たとい原審判決の刑が第一審判決の刑よりも重いものであつても刑訴第四〇

三条に違反するものとはいえない。されば懲役六月に処し刑の執行猶予の言渡をし

た第一審判決よりも、懲役四月に処し刑の執行猶予を言渡さなかつた原審の判決の

方が重い刑を科したものだとの所論が仮に是認さるべきであるとしても、原判決は

刑訴第四〇三条に違反するものとはいえない。また刑の執行猶予を言渡すか否かそ

の他刑の量定をいかにするかの理由は、刑訴第三六〇条にいわゆる罪となるべき事

実に該当しないから、原審が第一審の刑期と異る懲役刑を科し、その執行を猶予す

る言渡をしなかつた理由を特に判示しなかつたからといつて、原判決には毛頭違法

はない。所論は結局事実審たる原裁判所の裁量権にのみ属する刑の執行猶予の言渡

をしなかつたことを非難するに帰着し上告適法の理由とはならない。

よつて刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致した意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二三年一二月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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